間接雇用とは、労働者に直接命令して就業させる使用者と労働者の間に、第三者が介在する雇用形態のことです。
代表的な間接雇用には、派遣労働や業務請負があります。雇用主と実際の使用者が異なる間接雇用では、いろいろな問題が発生する可能性があります。
戦後の日本では、正社員、契約社員、パート、アルバイトなど正規・非正規の違いはあっても、雇用主と使用者は同じでした。
それは、戦前に横行していた人材供給業者による中間搾取や低劣な労働条件、身分・身体的拘束などの人権侵害を防ぎ、社会的弱者=労働者を守るために「間接雇用」は法律によって禁止されており、労働形態は「直接雇用」が原則であったからです。
企業が労働者を直接雇用すれば、労働基準法、労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、労働組合法などによるさまざまな法的責務を負わなければなりません。
しかし間接雇用であれば、企業は労働者に対してこれらの雇用責任を負わずにすみます。つまり間接雇用とは、企業にとっては人件費がかからず、必要な時に必要なだけ労働者を使うことができる都合のいい労働形態だというわけです。
間接雇用にはそのようなメリットがあるため、製造現場や情報通信業界などでは違法でありながら間接労働が慣習的に行われていました。
そして、1986年に一定の条件つきで間接雇用が法的に認められると、直接雇用の原則は崩れてしまい、間接雇用である派遣労働が合法化されることになりました。
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